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学会発表

地球電磁気・地球惑星圏学会 2004年秋講演会 (D31-P157)

"惑星観測用近赤外カメラ開発の現状と金星雲構造の観測計画"

○高橋香代子[1], 坂野井健[1], 岡野章一[1], 金井美一[2], 山室智康[2]
[1] 東北大・理・惑星プラズマ・大気研究センター
[2] ジェネシア

近赤外領域における惑星大気のリモートセンシングは,太陽散乱光強度が 相対的に減少する一方で,大気中の輝線・吸収線や熱輻射を捉えることが 可能となるため有利である。近年の近赤外2次元検出器の進歩により, それらのイメージングデータが取得されている。しかし,その観測は主に 大型望遠鏡によるものであり,惑星大気現象の解明に不可欠な連続データ 取得の大きな制限となっている。このため,我々は惑星大気観測専用の 近赤外カメラの開発を進めてきた。本カメラは,東北大学飯舘観測所惑星 60cm反射望遠鏡のカセグレン焦点(f=7200mm)に取り付けられる。 ケースは,内部に熱輻射シールドをもつ真空デュワー構造である。 光学系はコリメータ部をもち,干渉フィルターによる波長選択がなされる。 検出器には1-5 umに感度(効率~0.85)を持つ256x256 InSb2次元アレイが 用いられる。空間分解能は0.43 arcsec/pixelである。
本カメラは,9月上旬完成を目指し,開発が進められている。現段階に おいて,ケース機構部分の製作ならびに内部塗装が完了した。今後,この ケースを用いて熱真空試験を行い,要求温度(冷却温度は検出器が35K, 筐体が~100K)が達成可能かをチェックする。さらに,アレイ動作するための エレクトロニクス試験も同時進行中である。
本カメラの最初のターゲットは,金星夜側ディスクの下層雲のイメージング 観測であり,9月に予定されている。観測には,高度50km付近の下部雲層用と 背景光用にそれぞれ2.294um (FWHM=10nm)と2.329um (FWHM=10nm)の 干渉フィルターが用いられる。また,本年冬期には木星 H3+オーロラ観測も 計画されている。
  本発表ではカメラ開発の現状と,金星雲の2.3um帯観測計画の詳細を報告する。

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