アイデア提案型の光学システム開発企業 株式会社ジェネシアアイデア提案型の光学システム開発企業 株式会社ジェネシア

ホーム > 業務実績 > 研究業績

業務実績

研究業績

学会発表

日本天文学会2001年春季年会 [W09a]

"Solar-B搭載可視光磁場望遠鏡(SOT)の設計進捗状況"

○山室 智康(ジェネシア)、田中 培生、西巻 祐一郎(東大理)、川端 拡信(武蔵高校)、Ahmatjan Letip、本原 顕太郎、宮田 隆志(東大理)

2005年夏に打ち上げが予定されている第22号科学衛星Solar-Bに搭載される可視光望遠鏡 (Solar Optical Telescope, SOT)は、 太陽光球面に分布する微細な磁場を0.2秒角の分解能でベクトル的に高精度で測定する、わが国において初めての本格的なスペース光学望遠鏡である。 Solar-Bの科学目的は、下層大気(光球、彩層)と上層大気(遷移層、コロナ)を一体のシステムとして捉えて、太陽活動(磁気流体現象)の基礎的物理過程を 明らかにすることであるが、SOTは下層大気の磁場・速度場の高精度観測を担当する。SOTは、地上観測では到達が極めて難しい空間分解能での観測を可能とし、 さらに長期間にわたる連続的観測により、活動的な太陽磁場の変化を高精度で捉えることが可能となるため、今まで観測されなかった(できなかった) 新しい発見が得られ成果が大いに期待できる。
SOTの設計進捗状況については、2000年秋季年会まで一連の報告がなされてきた(一本、他参照)。現在詳細設計設計がほぼ完了し、 プロト電気モデルや構造・熱試験モデルの製作が進められ、いよいよ試験段階に差し掛かっている。本講演では、SOTシステムの概要を紹介し、 SOTの開発状況の現状を報告する。
SOTは日米協力の枠組で開発され、口径50cmのグレゴリアン望遠鏡を日本が製作担当する。望遠鏡はグレゴリアン光学系の他、 米国が製作担当する焦点検出装置(フィルター撮像装置とスペクトログラフ)に平行光を導入ためのコリメータレンズ、画像安定化のための可動鏡、 およびこれらの光学部品を保持し、適正な熱的環境を維持するための望遠鏡構体よりなる。2000年秋季年会以降、1) 構造モデル試験用主鏡・副鏡の完成、 2) 光学性能試験用60cm平面鏡の波面性能確認、3) 構造モデル・光学試験用コリレメータレンズの完成・振動試験・波面性能確認、 4) 可動鏡用ピエゾ素子の宇宙環境耐性試験(本年会永田他)、5) 望遠鏡部の構造および熱設計、6) 望遠鏡部の組み立て試験の詳細検討、など設計・製作・試験が進行している。 今後2001年7月から始まるプロトモデル電気試験、2001年5月からの望遠鏡部構造・熱モデルの組み立て・調整に始まる望遠鏡部の各種試験、にむけて全力で取り組んでいる。

ページトップへ ▲

商標・著作権 Copyright(C)1996-2015. Genesia Corporation.